週刊オクシーズ物語

13. オクシーズマイラブ

オクシーズマイラブ

  師走が近づき、リトル高岡の街にもなぜか日本の高岡のような重く暗い冬がはじまろうとしていた。 ダンスの振り付けも完成し、あとは踊りこむだけの段階。ターマは『歌う』のではなく『語る』という新境地を見つけ生き生きとしている。
 この頃、オクシーズとマークはよくこんな話をした。宴会芸を目指していただけなのに、どうせなら歌ってみようよ、 どうせならもっといろんな曲にチャレンジしてみようよ、どうせなら同窓会だけじゃなくてステージに立ってみようよ。 この『どうせなら』でオクシーズが出来上がってきた気がする。歌が唄えるようになりたいねと言ったら、 ターマがマークを連れてきてくれた。 本気で頑張っていたら、その『本気』を応援してくれる人がどんどんふえてきた。 不思議だった。この流れはきっと何かある。なにかの運命に動かされているような気がしてならなかった。 みな同じことを考えていた。

 『楽しみにしてるよ。頑張って!』
 と言ってくれる人たちの目はキラキラ輝いていた。
 『オクシーズの話を聞いてたら元気をもらえる』と言ってくれた。

 もしかしたら自分たちが今やっていることって周りが元気になることなの? 自分たちが本当に楽しいからやっているだけなのに、でもその姿をみて元気をもらえると言ってくれる人たちがいる。 マークは言った。
 『ここまできたんだから、もうひとつどうせならで、オリジナルソングを作ろうよ! で、どうせならリトル高岡の人たちに喜んでもらえる歌にしよう!』

 こうしてオクシーズのオリジナルソング『オクシーズマイラブ♫』を作ることが決まった。
 『で、オクシーズマイラブの歌の歌詞がほしいんだけど』
 『すぐに書きます』ジェニーが即座に返事をした。
 ほどなくしてジェニーが歌詞を提出し、マークが曲をつけた。マークの音作りには気合が入っていた。 オクシーズのオリジナルソング『オクシーズマイラブ♫』は、泣きのギターが郷愁を誘う情緒あふれる素敵な曲だった。 ジェニーは自分の書いた詩が曲になり、本当にうれしそうだった。 マークと二人でピアノのそばで、音に合わせて言葉の数を足したり減らしたり、言い回しを変えたりと、大いに盛り上がっている。 ノゾーミとターマが口をはさむ隙間はそこにはなかった。マークは言った。

 『どうせならこの歌を一度きりのライブだけで終わらせるのではなく、リトル高岡の人たちにずっと歌ってもらえるよう育てていきたい。よーし、急いでレコーディングをしてCDを作ってラジオにも出るぞ!』ジェニーの目が輝いた!

 二人の間でレコーディング、ラジオ出演、1月10日のライブ本番という流れが出来上がったようだった。 ノゾーミとターマは口には出さなかったが、それぞれ同じ思いだった。
 だってどう聞いてもその歌はジェニーの想いを綴ったジェニーのための歌なのだ。自分たちだってオクシーズだ。 オクシーズが唄うオクシーズのオリジナルソングなら、みんなで形にするべきじゃない? 少しでもいいからみんなが関わったものにするべきじゃない? 今のこの曲は、どうみてもジェニーとマークの楽曲であり、 自分たちは蚊帳の外なのである。 こりゃあグループとしてダメだろう!先に行動に出たのはターマだった!

 『ねえ、その歌詞少し違和感感じるところがあるの。 できれば感謝ばっかりじゃなくて3番は未来のリトル高岡への応援歌にした方がよくないかしら??』

 これが後にジェニーが言う『ターマのちゃぶ台返し』(笑)である。
 外にはけたたましい雷鳴が轟いていた。波乱の幕開けであった!!

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