週刊オクシーズ物語

08. もうあとには引けない!

もうあとには引けない!

 『ロバートJ』大炎上の夜からひと月、ジャクソンシティの街にもようやく秋の気配が訪れていた。 レボリューションの応援団からスタートした宴会芸だが、ロバートJでの出来事が3人の『本気』にさらに火をつけ、 いつかステージに立つという大きな目標に向かって一気に事が進んでいた。曲数も『Dream Girls』のほかに、 同じく映画の Dream Girlsより『Hard to say goodbye』、カーペンターズの『Please Mr.Postman』、 JPOPからはユーミンの『ルージュの伝言』とどんどん増えていく。マークはオクシーズの3人を決して否定しない。 誰かが『これやりたいね。難しいかなぁ。』といっても 『いいですねー。大丈夫ですよ。やりましょう!』 とやりたいことを何でもやらせてくれる。 ターマがどんなに音をはずしても『音痴じゃなくてこれは勘違いしてるだけなんです。 しかもすばらしい素敵な勘違い!大丈夫ですよ。すでに唄えてますから!』と言いきる。 振り付けや衣装のことでことごとくぶつかるノゾーミとジェニーだったが、マークがいつも丸く収めてくれた。 さすが結婚歴4回を誇る男(←しつこい?)女あしらいは絶品である。

 この頃になると、『あの人たちいったい何をやるつもりなんだろう?マークも関わり始めたんだってね』 とオクシーズのことが少しづつ話題になり始めていた。さすがに焦ってきた3人!本当に私たちできるのだろうか?

 【50代・ド素人・歌も唄えない3人】のステージに向けての本気の戦いがスタートした!
 ドレスを着るためには痩せなきゃならない。ノゾーミは毎日朝晩の腹筋80回ずつを自分に課した。 ジェニーは呼吸筋を鍛えるグッズを取り寄せ、歌の練習に取り組んだ。さすが真面目なジェニーである。 ターマは勘違いを直すために、マークからバケツを被って練習するというミッションを与えられた。 その3人の奮闘ぶりが伝わったのか、応援してくれる人がどんどん増えてきた。 その一人に、後にオクシーズの応援団長をかって出てくれたミッチー女史がいる。 3人より少しだけ人生の先輩であるミッチー女史は、女性が何歳になっても美しく輝こうとすることを心から応援してくれた。 レボリューションのメンバーもジョニーもことあるごとにオクシーズを気にかけてくれた。 アンドレは様子が気になるのかたびたび『UTAMARO』にやってきてはマークからオクシーズのことを聞き出そうとする。 11月の初めには、実家の暖炉の補修のためにLAからオタクのモッズが帰省してオクシーズの練習をのぞきにきた。 オクシーズというキャッチーなネーミングの生みの親モッズ。 心優しいオタクのモッズは3人の個性がぶつかって空中分解しないよう、ずっと見守っていてくれたのではないかと思う。 たくさんの人が応援して、楽しみにしてくれていた。もう後には引けなかった!!

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